わたしの「推し」
どうも、ケーンです。
ココログの3月のお題の一つが「推し(自分に元気をくれる存在・もの)」だそうで、私も自分の「推し」について書こうと思います。
「推し」といってもいろいろありますよね。アイドルだったり、歌手だったり、俳優だったり、マンガや小説・アニメのキャラクターだったり。子供の頃から大人になるまで、大人になってから年を取るにつれて、変わっていったりもします。
そんな中で、私にとっての今の「推し」は誰か。
真っ先に思い浮かんだのは…。
レト「レトでち!!」
あ、こらっw
いやまあ、確かにキミはとってもかわいいし、見てるだけで元気になるし、大事な「推し」ではあるんだけども、今回紹介したいのはキミじゃないんだw
レト「ぶう」(レト、拗ねて退場)
えー、コホン。
改めて、「推し」でしたね。私ももうすぐ50になろうかという年齢なので、人生の中で、自分に元気をくれる存在・ものはいろいろありました。セキセイインコも確かにそのひとり(?)です。うちは私が子供の頃からセキセイインコを飼ってきたので、彼ら・彼女らは間違いなく私の人生に寄り添ってくれていた「推し」です。
でも、「推し」と聞いて真っ先に思い浮かんだのはこの人でした。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の主人公です。
原作は小説で、2018年にTVアニメ化されました。そして2019年には外伝「永遠と自動手記人形」が、2020年には完結編となる「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が劇場公開されています。
私も小説は好きでよく読みますが、この作品は知りませんでした。TVアニメから入ったクチです。
きっかけは何だったのか、もうよく覚えていませんが、そのタイトルに惹かれたのを覚えています。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
すごく良い響きだと思いませんか? で、どんなアニメだろうと思ってサイトを見てみると、どうやらSFやファンタジーの類ではないらしい。いや、架空の世界を舞台にしているのでファンタジーと言えなくもないが、中身は巷に溢れている剣と魔法の世界とは違う。
キャッチコピーは『彼女はまだ知らない、「愛してる」の意味を。』『想いを綴る、愛を知るために。』
ラブストーリーだろうか? だったら40を過ぎたオッサンが観てもハマらないかもなあ。
そんなふうに思いながらも、でもやっぱりタイトルの響きが素晴らしく、内容も気になったので、観てみることにしました。
そして、見事に心を刺されました。
戦時下、孤児だったヴァイオレットは軍に拾われ、武器として育てられる。戦うことしか知らず、感情すら乏しかった彼女は激化する戦闘の中で両腕を、そして自分を育ててくれた上官である「少佐」を失う。
少佐は間際に言いました。
「愛してる」
と。
しかし、戦うことしか知らないヴァイオレットには、その言葉の意味が理解できません。
「あいしてるって何ですか」
その答えを得られぬまま、砲撃が襲い、ヴァイオレットは爆風に吹き飛ばされて意識を失います。
目覚めると、そこは病院のベッドの中でした。両腕は義手になっていました。少佐はそばにいません。ヴァイオレットを迎えにきたのは、「少佐から君のことを頼まれた」と言う郵便社の社長でした。
ヴァイオレットはそのまま彼の郵便社で働くことになります。最初は仕分けや配達の仕事をしていましたが、ある時、ふとしたきっかけでそこで働く「自動手記人形」──手紙の代筆人になりたいと言い出します。理由を尋ねる社長に、ヴァイオレットは言いました。
「あいしてる、を知りたいのです」
そうして、彼女は「自動手記人形(ドール)」として、様々な事情を抱えた人々の手紙を代筆するようになります。
戦争しか知らず、最初は報告書のような文章しか書けなかったヴァイオレットですが、いろいろな人々と出会い、別れ、その心に触れることで、次第にその人の心をすくいあげるような手紙を書けるように成長していきます。そして、彼女自身も、笑みを浮かべたり、涙を流したりと、乏しかった感情が次第に芽生えていくのです。
いや、表現がちょっと違うかも知れませんね。感情が、心がなかったわけではない。もともとヴァイオレットは、他人を思いやり、他人に共感することのできる優しい少女だったのでしょう。それが、戦争の中で孤児となり、軍に拾われたことで封じ込められてしまった。その封印が、自動手記人形として人々の心に触れる中で解けていった──私にはそう見えました。軍にいた頃から変わらぬ一途な少佐への想い。それが証左です。
その様を、京都アニメーションは繊細な作画と丁寧な脚本で見事に描いていました。毎回のストーリーも素晴らしく、特にファンの間で「神回」と呼ばれる第10話は涙腺崩壊必至です。40を過ぎてすれっからしになり、ちょっとやそっとの事では感動しなくなった私ですら、うるっときたくらいです。私に勧められて観た妹も、「10話はちょっとヤバかった」と言っていました。
そんな第10話を観ても「泣かなかったよ」と言う姪。うん、5歳児にはまだちょっと難しいかな。もう少し大きくなったらまた観てごらん。
…話が逸れましたw
そんなわけで、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はTV放映から4年経った今でも、私の中ではトップに君臨する神アニメです。その主人公であるヴァイオレットが「推し」として真っ先に思い浮かんだのも、必然と言えましょう。
人々の心に触れ、微笑み、涙しながら「手紙」でその人の「想い」を綴り、伝え、人々の心を救っていったヴァイオレット。辛い経験もたくさんしました。時には立ち直れないほどの衝撃を受け、潰れそうになったこともあります。でも彼女はまた立ち上がり、手紙を書き続ける。どんなに心が折れそうになっても、時に周りの人々の想いに救われながら、凛と背筋を伸ばし、その義手で、タイプを打つのです。
そんな彼女を見ていると、生きる勇気がわいてきます。
傷つき倒れても、人はまた立ち上がることができる。変わることができる。どんなに深い絶望の中にも、微かな光がある。
そんなことを、彼女は教えてくれたように思うのです。
過酷な境遇で育ったヴァイオレットが、成長し、変わってゆく。自動手記人形として「手紙」を綴ることで、依頼人の心をすくいあげ、救ってゆく。では彼女自身は? ヴァイオレット自身が救われる日は来るのか。
その答は、彼女の生きる様を最後まで見届けた先にあります。
未見の方はぜひ。超オススメです!!
レト「レトをわすれるなでち!!」
はいはい、忘れてませんよw
それではまた。
ケーンでした。