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映画・テレビ

2023年2月 4日 (土)

ケーンの映画感想文「レジェンド&バタフライ」

どうも、ケーンです。

2023年1発目の映画感想文はこちらになります。

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「レジェンド&バタフライ」

 (2023年、主演:木村拓哉、綾瀬はるか、監督:大友啓史)

ここで白状すると、本当に2023年1本目に観たのは「Dr.コトー診療所」でした。母が観たいと言ったので一緒に行ったのですが、朝イチの回だったのがたたり、ワタクシ、不覚にも爆睡してしまいましたw なので実質観ていません。母曰く「よかったよ」だそうです。

さて、話を戻しますと、「レジェンド&バタフライ」は、キムタクと綾瀬はるかという超人気俳優がそれぞれ織田信長とその正室である濃姫を演じた時代劇。レジェンド(伝説)=信長、バタフライ(蝶)=濃姫を指しているようです。監督の大友啓史は「るろうに剣心」シリーズで有名な方ですね。

織田信長といえば、日本人には人気の高い戦国武将ですよね。戦国時代の英雄と言えば、というような質問には必ず名前が挙がる人物です。ただ他方で比叡山焼き討ちなど、多くの人を殺した悪魔、と呼ぶ人もいます。

映画の公開前、あるTV番組で主演のキムタクに「信長は英雄か悪魔か」という質問をぶつけた子供がいました。それに対するキムタクの回答は、

「そのどちらの面も持っていたのが信長であり、人間である」

でした。それで私はこの映画に興味を持ちました。キムタクは多くの作品で色々なキャラクターを演じてきましたが、「ぜんぶ同じ。キムタクでしかない」と酷評されていたこともありました。もしかしたら今回も、キムタクが信長の格好をしてかっこつけてるだけの映画なのではないか、との懸念があったのですが、この回答で、キムタクが織田信長という人間と真摯に向き合ったという印象を受けたからです。

そしてその印象は、間違っていませんでした。

 

オススメ度は、★★★☆☆です。

正確には3.5点。ちょっと辛いのは私のワガママが入っているからで、決して観て損はありません。

 

キムタクは、英雄でも悪魔でもない、一人の人間としての織田信長を演じていました。作中で信長は若い頃は「うつけ者」であり、長じては戦に強くなり常勝不敗、天下を狙う中で史実通り比叡山を女子供もろとも焼き払うという残虐な行為をも行いました。そして、本能寺の変で命を落とす。

そんな激動の人生を歩んでいたのは、「人間」信長でした。人並みに子供っぽいところもあり、怒り、笑い、恐れ、泣く。印象的だったのが桶狭間の戦いの直前のシーン(だったと思います)。信長は今川の大軍を前に、平然とした顔をしつつも、手足が震えていました。彼にもまた、恐れることがあった。弱さがあったのです。

それを支えたのが綾瀬はるか演じる濃姫。彼女は気が強く、身体能力も高く、事あるごとに信長と衝突していましたが、要所要所で信長を鼓舞し、勝利へと導く。それは信長を利用して天下を取るという打算に基づいた行動でしたが、いつしか信長を愛していることに気づきます。しかしその時の信長は「我、人にあらず!!」と豪語するほど悪魔的な面が出ていた時期で、濃姫から遠い存在となってしまっていました(悪魔的になった裏にも、人間・信長の弱さがあったのですが)。濃姫は離縁を申し出、信長もそれを了承します。

そうして離れ離れとなった二人がどのような道を辿り、どのような結末を迎えるのか。

それは、ぜひご自身で劇場で確かめて下さい。

最後に一つ。

劇中、本能寺の変で信長は「是非に及ばず」という有名な言葉を言った後、もう一言呟きます。決して格好の良い台詞ではありませんが、信長を一人の人間として見た場合には「ああ、そうか」となる納得の台詞でした。

ああ、それから私のワガママ部分に触れていませんでしたね。

本作品は信長と濃姫の「人生」を描いた作品なので、合戦シーンはありません。派手な合戦を期待して観ると肩透かしを食らいます。

だからといってアクションがないかというとそうではなく、ほぼすべてを本能寺の変につぎ込んでいました。あそこは「るろうに剣心」を思わせる大友アクションの真骨頂だと思います。

ただワガママを言うなら、「桶狭間」「長篠」あたりの有名な合戦シーンは観たかった。もともとが3時間近い作品ですから、尺がないのは承知の上で。何なら二部作にしてもよかったと思います。

キムタク渾身の信長、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

それではまた。

ケーンでした。

 

2022年12月27日 (火)

ケーンの映画感想文 2022年番外編

どうも、ケーンです。

気がつけば年の瀬。2022年も終わろうとしています。

今年は仕事が忙しかったり、途中で体調を崩したりしたこともあって、本を読むよりは映画を観る方が多かったような気がします(「読む」は「見る」より脳のエネルギーを使うので)。

そもそも「読書感想文」の派生として始まったコーナーなのに、こっちのほうが投稿が多かったという…というか、今年の読書感想文は田中芳樹先生の「白銀騎士団」のみ。他にも読んではいるんですが、数としては少なかった気がします。

2023年はもっと小説を読みたい!! そして本家の「読書感想文」をもっと書きたいです。

さて、今回は映画感想文の番外編として、今年観たものの、ブログでは感想を書けなかった作品について、簡単に綴りたいと思います。

 

1本目はこちら。

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「流浪の月」(2022年、主演:松坂桃李、広瀬すず、監督:李相日)

凪良ゆう先生の同名小説の映画化。今年劇場で観た実写映画はこの作品だけでした。

松坂桃李も広瀬すずも好きだったので観に行ったのですが、切ない物語でした。二人の演技は期待以上にもの凄かったです。

断っておきますが、これは「ラブストーリー」ではありません。でも、二人の間には確かに「愛」がある。この言葉の意味が気になる方は是非!!

正直、松坂桃李の「告白」のシーンでは胸が締め付けられて涙が出ました。

 

2本目はこちら。

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「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」(2022年、原作:鳥山明、監督:児玉徹郎)

言わずと知れた「ドラゴンボール」シリーズ最新作。悟空と一緒に育ってきた世代としては外せませんでした。

今回は悟空の息子・悟飯とその師匠であるピッコロが主役。正直、私は個人的に悟飯が好きではありませんでした。やっぱり私にとってヒーローは「戦いが大好きでやさしいサイヤ人」の悟空なんですよ。悟飯が主役というのはどうも…と思いつつ、ピッコロは好きなので鑑賞したのでした。

結果は…大満足!!

いや、ツッコミどころはあるんですよ。アルティメット悟飯になって潜在能力を限界以上まで引き出されたはずの悟飯に、さらに秘められた力があるのはどういうこと? とか、ピッコロにしたって、ネイルと融合し、神様と融合して限界まで強くなったはずなのに、まだ潜在能力があったのかよ、とかねw

でも、そんなところも「ドラゴンボール」なんですよね。そして素直に面白かった。ピッコロの覚醒はファンとしては嬉しかったし。

スカッとする迫力のアクションと絶妙なコミカルを楽しみたい方は是非。

なおこの作品はセルアニメ風の3Dアニメという革新的な技術を使っています。凄いです。3Dのはずなのにセルアニメとほとんど見分けがつかない。今後のジャパニメーションの可能性を見た気がしました。

続編必ずあります。

…悟空、ベジータに負けたしねw

 

3本目はこちら。

Black-sun

「仮面ライダーBLACK SUN」(2022年、主演:西島秀俊、中村倫也、監督:白石和彌)

…すみません、これ厳密には映画じゃありません💦 でも、どうしても感想を書きたかった。

Amazon Primeで独占配信された特撮ドラマシリーズで、全10話。昭和の仮面ライダーシリーズの中でも名作と言われる「仮面ライダーBLACK」のリブートです。

リメイクではなく、リブート。登場人物の名前は共通していますし、設定も一部を引き継ぎ、随所に「BLACK」へのオマージュがちりばめられていますが、基本的には別の作品です。「BLACK」を知らなくても問題ありません。かくいう私も、「BLACK」は見ていましたがうろ覚えで、ただ「シャドームーン」というキャラクターが強烈にかっこいい敵役として印象に残っているくらいでした。

仮面ライダーシリーズは、平成に「クウガ」が製作され、そのリアルさとシリアスなストーリーが大きな話題となり人気を博しました。以来、令和に至るまでシリーズは続いていますが、最近のライダーはいつしか子供向けの作品となり、ビジュアルも派手になって戦隊ものと区別がつかなくなった…というのは言い過ぎかも知れませんが、「クウガ」のようなリアルさ、シリアスさが失われている、という印象が少しでもある方にはぜひ観てほしい作品です。

はっきり言います。重いです。昭和の学生闘争を思わせるキナ臭い雰囲気が受け付けない方もいるかも知れません。そもそもがR18? R15?なので大人向けでちょっと難解でもあります。

でも、それでも大人には観てほしい。一見の価値のある重厚な人間ドラマです。それでいてしっかりヒーローものでもある。最終話のライダーキックに私は震えました。

あえて注文をつけるなら、ラストでしょうか。

想いは受け継がれていく…というシーンだったのかも知れませんが、ちょっと救いがないな、と感じました。まあ、葵ちゃんの性格ならああするだろうと納得はしましたが、きっと光太郎はそんなことを望んではいないでしょう。光太郎が望んだのは、自分の代で戦いを終わらせることで、葵ちゃんには人並みに幸せになって欲しかったのではないでしょうか。

まあそれはともかくとして、名作です。視聴できる環境にある方には強くオススメします。

 

…とまあ、番外編というか補足というか、長々と書きましたが、映画は2023年もたくさん観たいですね。

それにしても趣向の変化なのか何なのか、驚くほど洋画を観ていないですね。昔は「スター・ウォーズ」に「インディ・ジョーンズ」、「マトリックス」に「ロード・オブ・ザ・リング」と、夢中になって観たものですが。話題になった「トップガン マーヴェリック」も結局観ていないし。

正直、「これ凄そう!! 観たい!!」と思える洋画が今年なかったのは事実ですね。今はCGで何でも作れる時代ですから、映像が凄い!!というだけでは惹かれないんですね。あとは個人的にはハリウッド離れがあるような気がします。凄い映像よりも、良い物語が見たい。さて、来年はそういう洋画があるでしょうか。

みなさんが2023年に期待している映画はありますか?

私は今のところ、「シン・仮面ライダー」くらいかなぁ。

 

それではまた。よいお年を。

ケーンでした。

2022年12月23日 (金)

ケーンの映画感想文「すずめの戸締まり」

どうも、ケーンです。

映画感想文、今回はこちら。

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「すずめの戸締まり」(2022年、監督:新海誠)

 

CMでは「新海誠の集大成にして最高傑作!!」と銘打っている作品です。

私の新海監督とのファーストコンタクトは「君の名は。」(2016年)でした。すみません、ミーハーで。それ以前の作品は知りませんでした。

「君の名は。」で感動して、

「この監督すげえ!!」

ってなって、次に公開された「天気の子」(2019年)も劇場で観ました。

そして、ちょっとがっかりしました。

ネタバレになってしまいますが、「天気の子」は、「君の名は。」に続くボーイ・ミーツ・ガールの作品で、主人公の少年が、

「好きな女の子と世界のどちらを取るか」

という究極の選択を迫られる物語でした。結局主人公は好きな女の子を取るのですが、その結果、世界(正確に言えば東京)は大変な状態になってしまうのです。

主人公が自分の想いを貫いた、美しい物語と取れるかも知れませんが、私は、

「何とかならなかったのかなあ」

という気分でした。

最後に主人公の少年が、再会した女の子の手を取って言います。

「大丈夫だ!!」

と。

「いや、ぜんぜん大丈夫じゃねーし!!」

そう心の中でツッコミを入れてしまったのは、たぶん私だけでしょうがw

 

そういうわけで、「すずめの戸締まり」にも、ちょっとそんなに期待していませんでした。

そもそも、「集大成」という言葉に私はあまりいい印象がありません。よくスポーツ選手が「この大会が私の集大成です」と言った時って、決まって成績振るわなかったりするじゃないですか。だから、今回もがっかりさせられるかも、という不安がありました。

でも、

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「すーずめっ」

CMでこの猫を見た時、あれ、と思ったのです。

「君の名は。」も「天気の子」も不思議現象を取り入れていたけど、こんなかわいい系の、マスコット的なキャラは出てなかったぞ。それに何だあの「動く椅子」は?

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まるでジブリ作品じゃないか。

そう思いました。少なくとも、前の2作品とはテイストが違うぞ、と。

それで興味を抱いて、観に行ったのです。

 

結果は…大正解でした!!

「集大成」というのとはちょっと違うかなと思いますが、「最高傑作」というフレーズは間違っていなかった。個人的には、あんなに感動した「君の名は。」よりもよかったです。

オススメ度は、

★★★★☆

です。

正直、個人的には星4.5でもよかった。それだけ満足できた作品でした。

 

ストーリーはファンタジーの王道です。RPG的といってもいい。主人公の少女、鈴芽(すずめ)はひょんなことからある目的のために旅をすることになる。各地でさまざまな人と出会い、協力を得て、最後に待ち受けるラスボスに挑む…というもの。

目的がわかりやすいために、登場人物の心情に感情移入したり、謎を考察しながら観る余裕がある。つまり、観客を置いてけぼりにしないんですね。王道のよさ、というか。

それでいて展開が面白く、人間もしっかり描かれている。ファンタジーでありつつも、ちゃんと「リアル」を描いています。

そして、最後には新海作品らしく、しっかり感動させてくれます。

 

この作品の特徴は、「君の名は。」や「天気の子」のように現実世界にファンタジー要素を混ぜ込みつつも、前の2作品よりもファンタジー色を強めていること。

例えば、ジブリ映画みたいな。

主人公のすずめは、ごく普通の女子高生のはずなんですが、その身体能力が常人離れしています。ものすごい長距離を短時間で走り抜けたり、動いている観覧車に飛びついたり。後から考えるとちょっとリアリティに欠けるかなと思うんですが、観ている間は気になりませんでした。
ジブリ映画に出てくるキャラクターって、普通の人間でもかなり足が速かったり、ジャンプ力がすごかったりするじゃないですか。あんな感じ。でもそんなに不自然には見えないんですよね。演出が上手いのでしょう。

そして、「すーずめっ」としゃべる猫や、動く椅子なんていうコミカルな見た目のキャラも登場する。

もしかしたら新海監督は今回、意図的にジブリ映画に「寄せた」のかも知れませんね。

 

0.5の減点はもう、単に相対的なものです。

今年は「シン・ウルトラマン」という神作を観てしまったので、それと比べると、どうしてもこうなっちゃうんです。

なので、もし「シン・ウルトラマン」の公開がなかったら今年No.1の満足度だったかも知れません。

というわけで「すずめの戸締まり」、老若男女問わず楽しめる作品だと思いますので、ぜひ!!

それではまた。

ケーンでした。

 

 

2022年12月17日 (土)

ケーンの映画感想文「THE FIRST SLAM DUNK」

どうも、ケーンです。

映画感想文、今回はこちらを取り上げます。

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「THE FIRST SLAM DUNK」(2022年、原作・脚本・監督:井上雄彦)

「SLAM DUNK」(以下スラムダンク)は、1990年代に少年ジャンプに連載されたバスケットボールを題材にした漫画で、テレビアニメ化もされ人気を博しました。

そのスラムダンクが20年の時を経て、原作者自らの手で映画化されるということで話題に。しかし、公開までストーリーが一切非公開だったことや、声優がテレビアニメ版から総入れ替えとなったことなどから、「どうなってしまうのか?」と不安視されていた作品でもありました。

私も、テレビアニメ版をリアルタイムで観ていた世代です。そのため、声優総入れ替えにはどちらかというと否定的でした。やっぱり、観ていた当時の声が刷り込まれているんですね。

年月とともに声優交代となったアニメはたくさんあります。ドラえもん然り、クレヨンしんちゃん然り。でも、同じジャンプ作品でも、例えばドラゴンボールは今もほぼオリジナルキャストで続いていますし、劇場版シティーハンター(新宿プライベート・アイズ)もそうでした。

なので、正直、あまり気乗りはしていませんでした。ですが公開後、

「観てよかった!!」

「泣けた!!」

「最高!!」

といった声が多く聞こえたため、さてどんなものか、と劇場に足を運んだのでした。

以下、ネタバレを含むので未見の方はご注意を。この映画のオススメ度は、

★★★☆☆

となります。

スラムダンクが好きだった私個人としては星4つなんですが、客観的には1つ減となってしまいます。

確かに素晴らしい作品でした。

ストーリーがいい。作画も演出も素晴らしい。試合の臨場感、迫力、スピード感がすごい。それでいてただのスポーツアニメじゃなく、ちゃんと人間ドラマも描かれている。観ている間、切なくなったり、熱くなったり、うるっときたシーンもありました。かつて私たちに刺さった名言もしっかり出てきます。

間違いなく、私たちの知ってるスラムダンクがそこにありました。

ただ。

時間的な制約があるので仕方ないとはいえ、やっぱり説明不足な面が否めなかった。

今回の主人公、宮城リョータについてはしっかり描かれています。他の4人、桜木花道、流川楓、三井寿(ミッチー)、赤木剛憲(ゴリ)にもそれぞれスポットは当てていましたが、ハイライト的に挿入されるだけなので色々疑問が出てくる。

もちろん、スラムダンクファンなら周知の事実です。

・不良だった花道がなぜ突然バスケ部に入部したのか、リーゼントから坊主頭になったのはなぜ?

・花道と流川が仲が悪いのはなぜか、特に花道が流川をライバル視している理由は?

・ミッチーがスタミナがなく、試合中早々にバテテしまうのはなぜか?

など。

細かいところですが、スラムダンクを知らない観客には??だったのではないでしょうか。

良くも悪くも、ファンのための映画だった、という感想を持ちました。

声優交代については、観たら納得しました。

たぶん原作・監督の井上氏は、自分の漫画を「リアルに動かしたかった」のではないでしょうか。それはアニメ化とは微妙に意味が違います。テレビアニメ版は面白かったけれど、少年漫画であるだけに、「面白く」作られています。演出にメリハリがあるというか、言ってしまえばオーバーリアクションなんです。

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↑とかねw

喜怒哀楽がはっきりしている。それはテレビアニメとしては正解だと思いますが、現実の人間はあそこまで大きくリアクションをするでしょうか?

井上氏は「リアルな芝居」を求めたのだと思います。新しいキャストの皆さんは、みんなそれを意識しているように感じられました。

ここで勘違いしてほしくないのは、オリジナルキャストの声優さんたちにはそれができないと言っているわけではない、ということ。

オリジナルキャストの声優さんたちは皆、人気も実績もあるプロです。「リアルな芝居」を求められたなら、きっとできたことでしょう。でも、テレビアニメ版の声に慣れ親しんだ人たちが聞いたら、きっと大きな違和感を感じたと思います。

だから、総入れ替えという決断をしたのではないでしょうか。まあ、あくまで私の想像でしかないんですが。

でも。

それでも、私はやっぱりオリジナルキャストで花道たちを観たかった。それを思うと、ゴリ役の梁田さんが急逝してしまったことは残念でなりません。

そしてもう一つ。

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「安西せんせい…バスケが…したいです…」

このシーンがなかったのは個人的に許せません!!w

そんなわけで、上記の評価です。

知ってる人は観て正解。てか観るべし!!

でも、知らない人にはちょっとね…という作品です。「THE FIRST」と銘打っているだけに、そこが残念でした。

最後に懺悔を。

晴子ちゃんの声はやっぱりオリジナルのがよかったなぁ…と思いながら観た後、エンドロールで声優さんの名前を見た途端、心の中で最速土下座してしまったのは私です。

ワタクシ、真綾さんファン失格ですごめんなさい…( ノД`)シクシク…

それではまた。

ケーンでした。

2022年10月 3日 (月)

ケーンの映画感想文「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」

 どうも、ケーンです。

 今回取り上げる映画はこれ。

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「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」(2022年 監督:安彦良和)

 いわゆる初代ガンダム、ファーストガンダムと呼ばれるガンダムシリーズ最初のTVシリーズ「機動戦士ガンダム」の中の1エピソード「ククルス・ドアンの島」という回をリメイクしたものです。

 このエピソードはストーリーの本筋からは外れた回だったため、後に制作された劇場版ではカットされていました。ただお話自体はとてもメッセージ性のある内容で、ファンには人気の高い回でもありました。

 もう一つこの回で有名なのは、「作画崩壊」です。

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 なんというか、今の時代では考えられないくらい作画がヤバいことになってますね。当時のアニメはみんな手書きだったし、ガンダムは制作スケジュールがタイトだったこともあったという事情もあるんですが…。まあそんな意味でもファンの間では有名な回でした。

 でも、監督の安彦良和さんはこのエピソードを今の世の中に出す意味を感じたのでしょう。昔のリベンジと言う意味もあったでしょうが。

 なお安彦良和さんは漫画「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を発表していますが、その中にもこのエピソードは入っていません。言わばこの映画は「ORIGIN版 ククルス・ドアンの島」とも呼べるでしょう。

 映画化にあたってストーリーは大幅に手を加えられていますが、大筋は同じ。作画は最新クオリティで、モビルスーツはCGで描かれています。声優さんはすでに亡くなっている人もいるのでかなり刷新されていますが、アムロとカイはオリジナルの人(アムロ:古谷徹さん、カイ:古川登志夫さん)がそのまま続投。回想シーンで登場するシャアの声も池田秀一さんです。

 アムロの声を聞いた感想。

 

「古谷徹は化け物かっ!?」

 

 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で一度大人のアムロを演じている古谷さんですが、今回のアムロは16歳。古谷さんの実年齢は69歳です。もう少年の声は無理なんじゃ…と思っていたら、驚くほどナチュラルでした。さすがはプロだなぁ、と感服しきり。

 …話が逸れましたw

 とにかく、最新の映像で蘇ったファーストガンダム、オールドファンにはたまらない映画でしょうね。ただし!!

 

 オススメ度:★★★☆☆

 

としておきます。

 まず、ファーストガンダムの大筋を知っていなければストーリーが理解不能であること。ガンダムというタイトルに惹かれて予備知識なしに観た人には、アムロたちの置かれている状況がわからなかったでしょう。さらに唐突に出てくるコップ将軍とマ・クベの会話も意味不明。そもそも連邦とジオン、今どっちが優勢なの? 南極条約って何? 新規の観客は置いてけぼりです。ここが減点。

 さらに主人公アムロの容赦のなさ。戦場のことなので仕方ないのかも知れませんが、アムロは敵を容赦なく殺します。ビームサーベルでコクピットを貫くし、ガンダムの足で敵兵を踏みつぶしたりする。「機動戦士ガンダムSEED」の主人公キラが「敵を殺さず無力化する」という戦い方を貫いて人気を博したのとは対照的で、今の人には引いた方も多かったのではないでしょうか? 戦争なんだから人は死ぬんだ、という現実をあえて突きつける、という演出なのかもしれませんが、エンターテインメントとしてどうなのか? と感じてしまいました。

 最後にモビルスーツのCG化。CGになったことで、モビルスーツの解像度が上がり、パネルラインやマーキングなどが施され、よりリアルになっています。ガンプラを作ったことのある人には、「Ver.Kaのガンダムが動いている!!」と言ったらイメージしやすいでしょうか? 動きもリアルで、ぬるぬると滑らかに動きます。現実にモビルスーツが動いたらこうなるんだろうなぁ、と思いましたが、昭和生まれで手書きアニメで育った私には違和感がありました。巨大ロボットというのは、もっとガシガシと動くイメージなのです。なんというか、人間のように複雑な関節ではないので可動域に制限がある→よって細かな動きは構造上無理→結果、メリハリのある動きになる──と考えてしまうんですね。もちろん、当時は手書きアニメだったため動画に限界があり、止め絵を多用しながらも動きを見せなければならない、という事情があったとはいえ、そのメリハリのある動きがかっこいいと感じられたのは事実です。年寄りのわがままと言ってしまえばそれまでですが。

 とまあ、長々と書いてしまいましたが、伝え聞く「機動戦士ガンダム」を現代のクオリティで観たい!! という人にはオススメです。

 それではまた。

 ケーンでした。

 

 

 

2022年8月 7日 (日)

ケーンの映画感想文「ムーンフォール」

 どうも、ケーンです。

 突然ですが、私はSFが好きです。これは間違いなく亡父の影響で、父もSFが大好きでした。

 そんな父に連れられて生まれて初めて観た映画が、「2001年宇宙の旅」(1968年、スタンリー・キューブリック監督)でした。たぶんまだ小学校の低学年の頃。映画好きな方はご存じとは思いますが、あの映画は大人が観ても難しい内容です。それがガキんちょの私に理解できるはずもなく、ただその映像に圧倒されて、

「光が…光が広がっていく…」

などと精神崩壊寸前のカミーユみたいな台詞を呟いたとか呟かなかったとか。

 そこで目覚めたわけではないでしょうが、その後も私は父と一緒になってカール・セーガン博士の番組とか、矢追純一のUFO特集とかを食い入るように見るようになりました。映画だと、「スター・ウォーズ」とか「スタートレック」をTVでやっていたら必ず見ていました。特に「スター・ウォーズ ジェダイの復讐」(※サブタイトルは当時)はお気に入りで、ビデオに録画して何度も見返したものです。

 そうして私は、宇宙大好き!! UFO大好き!! ついでに怪奇現象も大好き!! な「月刊ムー」(買ったことないけどw)な大人になったのでした。

 晩年、父と一緒に観に行った映画があります。それが、

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「インデペンデンス・デイ」(1996年、ローランド・エメリッヒ監督)。

 これはCMを見て大興奮しました。まだCG全盛期ではない時代、雲を突き破って出現する巨大UFOの迫力とインパクトといったらもう、鳥肌ものでした。公開初日に父と観に行って、大満足でした。

 これね、後から冷静になってみると、ザ・ハリウッド映画なんですよ。地球を襲ってきた巨大UFOに対して、人類は「アメリカがリーダーシップをとって」反撃を開始する。敵の秘密を暴き出し、攻略法を見つけるのもアメリカです。挙句の果てに、元空軍パイロットという異色の経歴を持つ大統領が自ら戦闘機に乗って戦場の指揮を取る。アメリカの国威発揚映画だと言っても過言じゃない。

 でも、それを差し引いても面白い映画でした。

 そのローランド・エメリッヒ監督の最新作が「ムーンフォール」(2022年)。

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 これは劇場公開作品ではなく、Amazon Primeの独占配信です。

 もうタイトルからしてネタバレしてるんですが、「月が落ちてくる」映画です。

 タイトルとCMを見て、「ああ、『アルマゲドン』(1998年、マイケル・ベイ監督)みたいなディザスター映画か」と思いました。あれは小惑星でしたが、今度は月。「アルマゲドン」では核爆弾で小惑星を破壊しましたが、月となると規模が違います。世界中の核ミサイルを全弾ぶちこむのかなぁ、なんて想像したりしていました。

 正直、ローランド・エメリッヒ監督にはちょっと失望していたんですよ。あの傑作「インデペンデンス・デイ」の続編「インデペンデンス・デイ リサージェンス」(2016年)が超つまらなかったので。私、劇場ではよっぽど疲れてない限り寝たりしないのですが、これは寝ました。1回目は何かの間違いだと思って2回目観たんですが、やっぱり寝た。あれはもうはっきり言って駄作です。

 なので「ムーンフォール」も大して期待せず、まあアマプラ入ってるし、暇つぶしくらいな感覚で観たんですが…。

 

 エメリッヒ監督、やればできるじゃないですか!!

 

 面白かったです。「月が落ちてくる」版の「アルマゲドン」だと思ったら違う。むしろディザスター場面は控えめで、ちゃんとしたSFでした。なぜ突然月が落ちてくるようになったのか、そしてそれを回避するにはどうすればいいのかが、ちゃんと考えて作られてる。そこがSF好きにはたまらない。一言だけネタバレ的な発言しますよ。

 

 爆破してめでたしめでたし、な内容じゃありません!!

 

 オススメ度は、★★★☆☆

 え、誉めてるわりに辛いですって?

 これはまあ、SF好きとしての採点です。

 ちゃんとSFしてたのはよかったんですけど、設定がありきたりだったので、SF好きな人が観たらちょっと物足りないかな、と思います。ただ、ストーリーも面白いし、泣けるポイントもある。「インデペンデンス・デイ」を観た人なら何となくわかるんじゃないかな? 登場からすでに死亡フラグが立っている人物がいます。その人の最期にちょっとうるっときます。まあこれも、ハリウッド映画あるあるなんですがw

 なので、特にSF興味ないよって人が観たら、かなり楽しめると思います。

 劇場公開ではなくサブスクだったのは世の流れか、それともやっぱり「インデペンデンス・デイ リサージェンス」で失敗した影響があったのか。それはともかく、ローランド・エメリッヒ監督の本領発揮な映画でした。

 それではまた。

 ケーンでした。

 

2022年5月22日 (日)

ケーンの映画感想文「シン・ウルトラマン」

 どうも、ケーンです。

 久しぶりに劇場で映画を観てきました。

 観たのはこちら。

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ン・ウルトラマン」

(主演:斎藤工 監督:樋口真嗣 総監修:庵野秀明)

 

 今年(2022年)の5月13日に公開したばかりの作品です。

 大ヒットした映画「シン・ゴジラ」を制作した庵野秀明×樋口真嗣のタッグ再びということで、注目していた方も多いでしょう。

 私の庵野作品との出会いはTVアニメ「ふしぎの海のナディア」で、続く「新世紀エヴァンゲリオン」で一気に庵野ワールドにハマりました。庵野秀明はもともとウルトラマンのファンで、エヴァの演出にもウルトラマンの影響が色濃く表れています。

 樋口真嗣は「シン・ゴジラ」の他には平成ガメラシリーズなどが有名な監督ですが、庵野秀明と親交が深く、「新世紀エヴァンゲリオン」の制作にも関わっています。エヴァの主人公・碇シンジの名前の由来となったことは有名な話です。彼もウルトラマンが好きで、「帰ってきたウルトラマン」に最も影響を受けた、と語っています。

 そんなウルトラマン好きが作った、初代ウルトラマンのリブート作品です。

 

 「禍威獣(カイジュウ)」と呼ばれる謎の巨大生物が次々と現れ、その存在が日常になった日本。通常兵器が通じない禍威獣に対応するため、政府はスペシャリストを集めて「禍威獣特設対策室専従班」=通称「禍特対(カトクタイ)」を設立。班長の田村君男、作戦立案担当官の神永新二ら禍特対のメンバーが日々任務にあたっていた。そんなある時、大気圏外から銀色の巨人が突如出現。巨人対策のため禍特対には新たに分析官の浅見弘子が配属され、神永とバディを組むことになる──。

(映画.com解説より)

 

 結論から言えば、「最高!!」でした。

 面白かった。「シン・ゴジラ」も面白かったけれど、個人的にはこっちのほうが好き。

 「シン・ゴジラ」はリアリティに徹底的にこだわり、「もし現代の日本に巨大不明生物が現れたら?」というシミュレーション的で硬派な作品でしたが、「シン・ウルトラマン」はそれに比べればフィクション性が高め。ただエンターテインメント性はこちらのほうが圧倒的に高い。

 ウルトラマン好きが作った、ウルトラマン愛に溢れた、ウルトラマン好きのための作品──では決してない。庵野作品らしく情報量は多いし、専門用語がばんばん飛び交いますが、それは「プロがプロの仕事をしている」と聞き流して、雰囲気だけ味わっていれば全然OK。ストーリーは十分に理解できます。子供が観ても、「怪獣すごい、宇宙人こわい、ウルトラマンかっこいい!!」と胸躍らせるんじゃないでしょうか。

 もちろん、大人の鑑賞にも十分耐えうる。ウルトラマンという超常的な力を巡る人間たちの思惑や宇宙人の陰謀、光の国の掟と自らの想いの狭間に立ったウルトラマンの覚悟など、ドラマパートも熱くて深い。

 これはもう、文句なく、

 オススメ度:★★★★★

です。

 ウルトラマンが好きな人はぜひ。ウルトラマンを知らない人にはなおのこと観てほしい。きっとウルトラマンが好きになります。

 最後に一つだけ、トリビアを。

 ウルトラマンの顔、初登場から少しずつ変わっていきます。

 最初は「異質な存在」として現れるウルトラマンの顔が、気づくと、みんなが知っている「ぼくらのウルトラマン」の顔になっている。

 初代ウルトラマンの顔は初期のAタイプと後期のBタイプがあって、そのことをオマージュしつつ演出に取り入れて、視聴者がウルトラマンに感情移入していくよう誘導しているのでしょう。うまいと思いましたね。

 それではまた。

 ケーンでした。

 

 

 

 

 

 

2022年5月 8日 (日)

ケーンの映画感想文「そして父になる」

 どうも、ケーンです。

 GW中に配信でもう一本映画を観たので、早くも第二弾です。

 今回はこちら。

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「そして父になる」(主演:福山雅治 監督:是枝裕和)

 2013年公開の邦画です。 

 6年間育てた息子は、他人の子でした──。

 学歴、仕事、家庭。自分の能力で全てを手にいれ、自分は人生の勝ち組だと信じて疑っていなかった良多。ある日病院からの連絡で、6年間育てた息子は病院内で取り違えられた他人の夫婦の子供だったことが判明する。血か、愛した時間か──突き付けられる究極の選択を迫られる二つの家族。今この時代に、愛、絆、家族とは何かを問う、感動のドラマ。

(GAGA Corporation サイトより)

 この映画は、存在は知っていて、DVDが発売された時に購入して、母の日にプレゼントした記憶があります。人間ドラマで、主演が演技力にも定評のある福山雅治なので、興味を持つかな、と。

 でもプレゼントした時、母は「ちょっと重いねえ」と言いました。子を取り違えられた家族の話。テーマとしては確かに重い。私自身も、どちらかと言えばエンターテインメント作品のほうが好きだったので、プレゼントしたきり、自分では観ませんでした。

 それから、およそ10年。

 今でもエンターテインメントは好きですが、たまには人間ドラマも観たい。そんな年齢になって、ようやく観ました。

 以下の文には重要なネタバレを含みますので、先にオススメ度を。

 ★★★★☆

 減点の星1は、視聴年齢を考えてのことです。これは子供や若者には向かない。大人のための作品。万人向けの映画ではないなと思い、星4としました。なので、作品の出来としてはほぼ星5に近い。

 私は独身で子供もいませんが、それでも心に刺さった。大作ではないです。号泣ものでもない。でも、

「あれは良いものだ」

と、マ・クベ大佐も言うでしょう。

 血の繋がりか、過ごした時間か。究極の選択の中で揺れ動く登場人物たちの姿を、福山雅治を始めとするキャスト陣は見事に演じています。

 ある人は、「結局は血だ」という。

 別の人は、「血なんか関係ないわ」という。

 どちらの言葉にも重みと説得力があって、観ているほうも、どちらが正しいのかわからなくなってきます。

 お話は、静かに進みます。登場人物が感情を爆発させるシーンはほとんどありません。

 その代わり、泣くときは押し殺すように泣く。声を殺して苦悩する。福山雅治が声を張り上げるのは最後の最後です。

 同じ日本人だからでしょうかね。それが余計に心に刺さる。欧米の人はわりと感情を大きく外に出しますけれど、日本人はそうしない。抑えて抑えて、それでも抑えきれずに零れ出してしまう。その表現がとてもリアルで、惹き込まれました。

 そして最後に、二組の夫婦が選んだ選択。

 ラストシーンは、もう一人の父親役であるリリー・フランキーの家に、二組の夫婦と二人の子供が仲良く入っていく場面で終わります。それまでのストーリーの流れを見ると、二組の夫婦が選択したのは「血」よりも「時間」だったと解釈するのがストレートな見方でしょう。

 でも、私は違う解釈をしました。

 たぶん二組の夫婦は、血も時間も、両方を取ったんだ、と。

 もちろん形としては、育てた子と暮らすことになるのでしょう。でも、二組の夫婦はその後も交流を続けることで、4人で2人の子供の両親になることを選んだんだろうと思えてならないのです。

 たぶんこういう解釈も成り立つように、是枝監督はあえて余韻を残すようなラストで幕を閉じたんだと思います。すごいと思いましたよ。

 そして見終わった後、無性に福山雅治の「家族になろうよ」を聴きたくなりました。

 あれはウェディングソングですが、タイトルがぴたりとこの作品にはまっているように感じたのです。

 間違いなく良作。

 大人ならぜひ、子を持つ親ならなおさら観るべき作品です。

 それではまた。

 ケーンでした。

2022年5月 5日 (木)

ケーンの映画感想文「亜人」

 どうも、ケーンです。

 私は読書も好きですが、映画も好きです。

 というわけで、最近観た映画の感想も綴りたいと思います。レビューなんて大したものではないので、やはり「感想文」でw

 今回はこちら。

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「亜人」(主演:佐藤健 監督:本広克行)

 

 2017年公開の作品です。

 

 病気の妹を救うために研修医となった永井圭はある日、事故で死亡。しかし直後、生き返る。

 亜人(命を繰り返す=不死身の人類)と発覚し、崩れ去る圭の人生。国家に追われ続け、非人道的な実験のモルモットとなってしまう。

 そんな圭の前に突如、人類に牙をむく亜人最凶のテロリスト【佐藤】が現れる。自分の運命に葛藤する圭は、佐藤が描く亜人の未来に共感できないでいた。

 やがて始まる、佐藤による衝撃の国獲りゲーム。衡突する人類と亜人、そして亜人と亜人。【絶対に死なない男】と【絶対に死なない男】の終わることなき【エンドレス・リピート・バトル】が始まる。亜人たちは、永遠の命をどう生きるのか──?

(東宝オフィシャルサイトより)

 

 このGWに何か映画を観たいなと思っていましたが、劇場では惹かれる作品がなく、何かないかとAmazon Primeを覗いてみたところ、出てきたのがこの作品です。本当は「護られなかった者たちへ」を観ようと検索したのですが、こちらは追加料金がかかるみたいで、同じ佐藤健が主演しているこの作品を観てみたのでした。

 漫画が原作のようですが、寡聞にして私はその漫画を知りません。なので予備知識も何もない白紙の状態で観ました。

 面白かったです。さすがは「るろうに剣心」を作ったタッグ。

 アクションを撮るのが得意な本広監督と、身体能力の高い佐藤健。迫力のスピードバトルには惹き込まれました。

 またアクション一辺倒ではなくて、望まずして不死身となってしまった主人公たち「亜人」の悲哀や狂気なんかもちゃんと描かれている。

 ただし。

 ここがいつも私の悪いクセなんですが、見終わった後、「ああ面白かった」で済まないんですよね。残念な部分も見えちゃう。

 この映画の場合は、ストーリーです。

 望まずして得てしまった超能力。それを極秘に利用する国家権力。それに反逆する者たちの登場。主人公は人としての情を捨てきれず、自分を利用した国家に与して反逆者たちと戦う。

 これ、超能力ものの、よく言えば王道、悪く言えばパターンなんですよねえ。

 なので、何となく先の展開が読めてしまう。バトル見て「おおっ」とか思いつつも、ストーリーに驚きがなかったことが少し残念でした。

 そして最後に生き残り、どこへともなく去ってゆく主人公のラストシーン。

 

「マトリックスのネオじゃんw」

 

 楽しい時間を提供してはくれました。ただね、うーん、惜しい。

 というわけで、オススメ度。

 ★★★☆☆

 佐藤健が好きなら観る価値あり、ということで。

 それではまた。

 ケーンでした。

 

 

2017年1月22日 (日)

大河ファンタジー第2章

 ども、ケーンです。

 昨夜、いよいよ始まりましたね、NHKの大河ファンタジー「精霊の守り人Ⅱ」。

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 これ、上橋菜穂子さんの異世界ファンタジー小説「守り人シリーズ」のドラマ化です。Ⅰは女用心棒のバルサが精霊の卵を宿してしまった皇子を守り、卵を狙う魔物と戦うというお話でした。

 僕は読書好きを自認しているのですが、迂闊なことにこのシリーズ、第1作の「精霊の守り人」しか読んでいませんでした。何せ長く続いているシリーズなもので、今から追いかけるのは大変そうだなぁ、と思って先を読むのを躊躇していたのです。

 で、それがドラマ化されると発表された時は、読んでいた第1作をドラマ化すると聞いて、「面白かったから見ようかな」と思いました。ですが、キャストを聞いてびっくり。30歳を過ぎた女用心棒バルサを演じるのは、なんと綾瀬はるか!!

 綾瀬はるかといえば、ラブストーリーとかコメディとか、そっち系の女優さんです。

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 こんな感じの、綺麗な、でもちょっととぼけたところもある人ですよね。

 この人で大丈夫? と思いました。用心棒で短槍使いのバルサ、というイメージに合うのか、ドラマには激しいアクションシーンもあるけど、こなせるのか?

 そんな不安の中、出てきたキービジュアルがこれでした。

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 なんか、顔つきいつもと違う。でも用心棒のイメージとまではなぁ…。

 と思ってドラマ本編を見てみると、驚愕!!

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 綾瀬はるか、めちゃくちゃがんばってました。顔つきところか、目つきが違う。声も口調もいつもとぜんぜん違う。役に入りきってました。そしてアクション。凄かった。キレのいい動き。激しい殺陣。ここまでできるのか!!

 面白かった。

 その、第2弾。今度は「神の守り人」「蒼路の旅人」がストーリーのベースとなるようです。これらは未読なので、予習なしの視聴となりました。

 第1話から飛ばしてます。怪しげな儀式、謎の超常現象、国同士の不穏な動き、深い人間ドラマ、そして綾瀬はるかの激熱なアクション!!

 これからの展開が楽しみで仕方ありません。

 見逃した!! という方は金曜深夜に再放送があるので是非!! これはオススメです!!

 それではまた!!

  










 

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