ケーンの映画感想文「THE FIRST SLAM DUNK」
どうも、ケーンです。
映画感想文、今回はこちらを取り上げます。
「THE FIRST SLAM DUNK」(2022年、原作・脚本・監督:井上雄彦)
「SLAM DUNK」(以下スラムダンク)は、1990年代に少年ジャンプに連載されたバスケットボールを題材にした漫画で、テレビアニメ化もされ人気を博しました。
そのスラムダンクが20年の時を経て、原作者自らの手で映画化されるということで話題に。しかし、公開までストーリーが一切非公開だったことや、声優がテレビアニメ版から総入れ替えとなったことなどから、「どうなってしまうのか?」と不安視されていた作品でもありました。
私も、テレビアニメ版をリアルタイムで観ていた世代です。そのため、声優総入れ替えにはどちらかというと否定的でした。やっぱり、観ていた当時の声が刷り込まれているんですね。
年月とともに声優交代となったアニメはたくさんあります。ドラえもん然り、クレヨンしんちゃん然り。でも、同じジャンプ作品でも、例えばドラゴンボールは今もほぼオリジナルキャストで続いていますし、劇場版シティーハンター(新宿プライベート・アイズ)もそうでした。
なので、正直、あまり気乗りはしていませんでした。ですが公開後、
「観てよかった!!」
「泣けた!!」
「最高!!」
といった声が多く聞こえたため、さてどんなものか、と劇場に足を運んだのでした。
以下、ネタバレを含むので未見の方はご注意を。この映画のオススメ度は、
★★★☆☆
となります。
スラムダンクが好きだった私個人としては星4つなんですが、客観的には1つ減となってしまいます。
確かに素晴らしい作品でした。
ストーリーがいい。作画も演出も素晴らしい。試合の臨場感、迫力、スピード感がすごい。それでいてただのスポーツアニメじゃなく、ちゃんと人間ドラマも描かれている。観ている間、切なくなったり、熱くなったり、うるっときたシーンもありました。かつて私たちに刺さった名言もしっかり出てきます。
間違いなく、私たちの知ってるスラムダンクがそこにありました。
ただ。
時間的な制約があるので仕方ないとはいえ、やっぱり説明不足な面が否めなかった。
今回の主人公、宮城リョータについてはしっかり描かれています。他の4人、桜木花道、流川楓、三井寿(ミッチー)、赤木剛憲(ゴリ)にもそれぞれスポットは当てていましたが、ハイライト的に挿入されるだけなので色々疑問が出てくる。
もちろん、スラムダンクファンなら周知の事実です。
・不良だった花道がなぜ突然バスケ部に入部したのか、リーゼントから坊主頭になったのはなぜ?
・花道と流川が仲が悪いのはなぜか、特に花道が流川をライバル視している理由は?
・ミッチーがスタミナがなく、試合中早々にバテテしまうのはなぜか?
など。
細かいところですが、スラムダンクを知らない観客には??だったのではないでしょうか。
良くも悪くも、ファンのための映画だった、という感想を持ちました。
声優交代については、観たら納得しました。
たぶん原作・監督の井上氏は、自分の漫画を「リアルに動かしたかった」のではないでしょうか。それはアニメ化とは微妙に意味が違います。テレビアニメ版は面白かったけれど、少年漫画であるだけに、「面白く」作られています。演出にメリハリがあるというか、言ってしまえばオーバーリアクションなんです。
↑とかねw
喜怒哀楽がはっきりしている。それはテレビアニメとしては正解だと思いますが、現実の人間はあそこまで大きくリアクションをするでしょうか?
井上氏は「リアルな芝居」を求めたのだと思います。新しいキャストの皆さんは、みんなそれを意識しているように感じられました。
ここで勘違いしてほしくないのは、オリジナルキャストの声優さんたちにはそれができないと言っているわけではない、ということ。
オリジナルキャストの声優さんたちは皆、人気も実績もあるプロです。「リアルな芝居」を求められたなら、きっとできたことでしょう。でも、テレビアニメ版の声に慣れ親しんだ人たちが聞いたら、きっと大きな違和感を感じたと思います。
だから、総入れ替えという決断をしたのではないでしょうか。まあ、あくまで私の想像でしかないんですが。
でも。
それでも、私はやっぱりオリジナルキャストで花道たちを観たかった。それを思うと、ゴリ役の梁田さんが急逝してしまったことは残念でなりません。
そしてもう一つ。
「安西せんせい…バスケが…したいです…」
このシーンがなかったのは個人的に許せません!!w
そんなわけで、上記の評価です。
知ってる人は観て正解。てか観るべし!!
でも、知らない人にはちょっとね…という作品です。「THE FIRST」と銘打っているだけに、そこが残念でした。
最後に懺悔を。
晴子ちゃんの声はやっぱりオリジナルのがよかったなぁ…と思いながら観た後、エンドロールで声優さんの名前を見た途端、心の中で最速土下座してしまったのは私です。
ワタクシ、真綾さんファン失格ですごめんなさい…( ノД`)シクシク…
それではまた。
ケーンでした。
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