ケーンの映画感想文「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」
どうも、ケーンです。
今回取り上げる映画はこれ。
「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」(2022年 監督:安彦良和)
いわゆる初代ガンダム、ファーストガンダムと呼ばれるガンダムシリーズ最初のTVシリーズ「機動戦士ガンダム」の中の1エピソード「ククルス・ドアンの島」という回をリメイクしたものです。
このエピソードはストーリーの本筋からは外れた回だったため、後に制作された劇場版ではカットされていました。ただお話自体はとてもメッセージ性のある内容で、ファンには人気の高い回でもありました。
もう一つこの回で有名なのは、「作画崩壊」です。
なんというか、今の時代では考えられないくらい作画がヤバいことになってますね。当時のアニメはみんな手書きだったし、ガンダムは制作スケジュールがタイトだったこともあったという事情もあるんですが…。まあそんな意味でもファンの間では有名な回でした。
でも、監督の安彦良和さんはこのエピソードを今の世の中に出す意味を感じたのでしょう。昔のリベンジと言う意味もあったでしょうが。
なお安彦良和さんは漫画「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を発表していますが、その中にもこのエピソードは入っていません。言わばこの映画は「ORIGIN版 ククルス・ドアンの島」とも呼べるでしょう。
映画化にあたってストーリーは大幅に手を加えられていますが、大筋は同じ。作画は最新クオリティで、モビルスーツはCGで描かれています。声優さんはすでに亡くなっている人もいるのでかなり刷新されていますが、アムロとカイはオリジナルの人(アムロ:古谷徹さん、カイ:古川登志夫さん)がそのまま続投。回想シーンで登場するシャアの声も池田秀一さんです。
アムロの声を聞いた感想。
「古谷徹は化け物かっ!?」
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で一度大人のアムロを演じている古谷さんですが、今回のアムロは16歳。古谷さんの実年齢は69歳です。もう少年の声は無理なんじゃ…と思っていたら、驚くほどナチュラルでした。さすがはプロだなぁ、と感服しきり。
…話が逸れましたw
とにかく、最新の映像で蘇ったファーストガンダム、オールドファンにはたまらない映画でしょうね。ただし!!
オススメ度:★★★☆☆
としておきます。
まず、ファーストガンダムの大筋を知っていなければストーリーが理解不能であること。ガンダムというタイトルに惹かれて予備知識なしに観た人には、アムロたちの置かれている状況がわからなかったでしょう。さらに唐突に出てくるコップ将軍とマ・クベの会話も意味不明。そもそも連邦とジオン、今どっちが優勢なの? 南極条約って何? 新規の観客は置いてけぼりです。ここが減点。
さらに主人公アムロの容赦のなさ。戦場のことなので仕方ないのかも知れませんが、アムロは敵を容赦なく殺します。ビームサーベルでコクピットを貫くし、ガンダムの足で敵兵を踏みつぶしたりする。「機動戦士ガンダムSEED」の主人公キラが「敵を殺さず無力化する」という戦い方を貫いて人気を博したのとは対照的で、今の人には引いた方も多かったのではないでしょうか? 戦争なんだから人は死ぬんだ、という現実をあえて突きつける、という演出なのかもしれませんが、エンターテインメントとしてどうなのか? と感じてしまいました。
最後にモビルスーツのCG化。CGになったことで、モビルスーツの解像度が上がり、パネルラインやマーキングなどが施され、よりリアルになっています。ガンプラを作ったことのある人には、「Ver.Kaのガンダムが動いている!!」と言ったらイメージしやすいでしょうか? 動きもリアルで、ぬるぬると滑らかに動きます。現実にモビルスーツが動いたらこうなるんだろうなぁ、と思いましたが、昭和生まれで手書きアニメで育った私には違和感がありました。巨大ロボットというのは、もっとガシガシと動くイメージなのです。なんというか、人間のように複雑な関節ではないので可動域に制限がある→よって細かな動きは構造上無理→結果、メリハリのある動きになる──と考えてしまうんですね。もちろん、当時は手書きアニメだったため動画に限界があり、止め絵を多用しながらも動きを見せなければならない、という事情があったとはいえ、そのメリハリのある動きがかっこいいと感じられたのは事実です。年寄りのわがままと言ってしまえばそれまでですが。
とまあ、長々と書いてしまいましたが、伝え聞く「機動戦士ガンダム」を現代のクオリティで観たい!! という人にはオススメです。
それではまた。
ケーンでした。
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