ケーンの映画感想文「ムーンフォール」
どうも、ケーンです。
突然ですが、私はSFが好きです。これは間違いなく亡父の影響で、父もSFが大好きでした。
そんな父に連れられて生まれて初めて観た映画が、「2001年宇宙の旅」(1968年、スタンリー・キューブリック監督)でした。たぶんまだ小学校の低学年の頃。映画好きな方はご存じとは思いますが、あの映画は大人が観ても難しい内容です。それがガキんちょの私に理解できるはずもなく、ただその映像に圧倒されて、
「光が…光が広がっていく…」
などと精神崩壊寸前のカミーユみたいな台詞を呟いたとか呟かなかったとか。
そこで目覚めたわけではないでしょうが、その後も私は父と一緒になってカール・セーガン博士の番組とか、矢追純一のUFO特集とかを食い入るように見るようになりました。映画だと、「スター・ウォーズ」とか「スタートレック」をTVでやっていたら必ず見ていました。特に「スター・ウォーズ ジェダイの復讐」(※サブタイトルは当時)はお気に入りで、ビデオに録画して何度も見返したものです。
そうして私は、宇宙大好き!! UFO大好き!! ついでに怪奇現象も大好き!! な「月刊ムー」(買ったことないけどw)な大人になったのでした。
晩年、父と一緒に観に行った映画があります。それが、
「インデペンデンス・デイ」(1996年、ローランド・エメリッヒ監督)。
これはCMを見て大興奮しました。まだCG全盛期ではない時代、雲を突き破って出現する巨大UFOの迫力とインパクトといったらもう、鳥肌ものでした。公開初日に父と観に行って、大満足でした。
これね、後から冷静になってみると、ザ・ハリウッド映画なんですよ。地球を襲ってきた巨大UFOに対して、人類は「アメリカがリーダーシップをとって」反撃を開始する。敵の秘密を暴き出し、攻略法を見つけるのもアメリカです。挙句の果てに、元空軍パイロットという異色の経歴を持つ大統領が自ら戦闘機に乗って戦場の指揮を取る。アメリカの国威発揚映画だと言っても過言じゃない。
でも、それを差し引いても面白い映画でした。
そのローランド・エメリッヒ監督の最新作が「ムーンフォール」(2022年)。
これは劇場公開作品ではなく、Amazon Primeの独占配信です。
もうタイトルからしてネタバレしてるんですが、「月が落ちてくる」映画です。
タイトルとCMを見て、「ああ、『アルマゲドン』(1998年、マイケル・ベイ監督)みたいなディザスター映画か」と思いました。あれは小惑星でしたが、今度は月。「アルマゲドン」では核爆弾で小惑星を破壊しましたが、月となると規模が違います。世界中の核ミサイルを全弾ぶちこむのかなぁ、なんて想像したりしていました。
正直、ローランド・エメリッヒ監督にはちょっと失望していたんですよ。あの傑作「インデペンデンス・デイ」の続編「インデペンデンス・デイ リサージェンス」(2016年)が超つまらなかったので。私、劇場ではよっぽど疲れてない限り寝たりしないのですが、これは寝ました。1回目は何かの間違いだと思って2回目観たんですが、やっぱり寝た。あれはもうはっきり言って駄作です。
なので「ムーンフォール」も大して期待せず、まあアマプラ入ってるし、暇つぶしくらいな感覚で観たんですが…。
エメリッヒ監督、やればできるじゃないですか!!
面白かったです。「月が落ちてくる」版の「アルマゲドン」だと思ったら違う。むしろディザスター場面は控えめで、ちゃんとしたSFでした。なぜ突然月が落ちてくるようになったのか、そしてそれを回避するにはどうすればいいのかが、ちゃんと考えて作られてる。そこがSF好きにはたまらない。一言だけネタバレ的な発言しますよ。
爆破してめでたしめでたし、な内容じゃありません!!
オススメ度は、★★★☆☆。
え、誉めてるわりに辛いですって?
これはまあ、SF好きとしての採点です。
ちゃんとSFしてたのはよかったんですけど、設定がありきたりだったので、SF好きな人が観たらちょっと物足りないかな、と思います。ただ、ストーリーも面白いし、泣けるポイントもある。「インデペンデンス・デイ」を観た人なら何となくわかるんじゃないかな? 登場からすでに死亡フラグが立っている人物がいます。その人の最期にちょっとうるっときます。まあこれも、ハリウッド映画あるあるなんですがw
なので、特にSF興味ないよって人が観たら、かなり楽しめると思います。
劇場公開ではなくサブスクだったのは世の流れか、それともやっぱり「インデペンデンス・デイ リサージェンス」で失敗した影響があったのか。それはともかく、ローランド・エメリッヒ監督の本領発揮な映画でした。
それではまた。
ケーンでした。
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