このどうしようもなく醜く愛しい世界で
どうも、ケーンです。
私は年代こそアラフィフですが、世の中のことを詳しく知っているわけではないので、あまり社会的・政治的な発言はしないようにしてきました。
でも、ここ最近のニュースを見ていると、
「なんか世の中おかしくないか?」
と思うことが多々。それがたまりにたまって、どこかで吐き出さないとおかしくなりそうなので、この場を借りて吐き出させていただきたいと思います。
なお、これはあくまでも個人的な見解です。特定の思想や団体などを支持、あるいは糾弾する目的のものではありませんので、そこはお間違えのないようにご注意願います。
最近ニュースを騒がせているのは、何と言ってもロシアによるウクライナ侵略でしょう。
今、私はあえて「侵略」という言葉を使いました。でもニュースでは「侵攻」と言っていますね。他国の領土に攻め入ることを「侵攻」といいます。「侵略」とは、他国の領土に武力で侵入し、土地や財物を奪い取ることです。これは国語辞典にはっきり書いてあることです。
ロシアはウクライナに軍隊をもって攻め入り、その土地を占領しました。民間人から略奪もしています。略奪などでっちあげだ、とロシアは言っていますが、一部の土地を占領していることは紛れもない事実です。なのでロシアがやっていることは明らかに「侵略」なのです。
でも、こんなことは些細なことです。侵攻だろうが侵略だろうが、ロシアがやっていることは許されないことなのですから。
ちなみにロシアでは今回の件をそもそも「戦争」とは言っていません。「特別軍事作戦」と言っています。これもおかしな話ですね。国と国とが軍事力をもって争うことを「戦争」と言うんです。ロシアがウクライナに軍隊で攻め入った。ウクライナの軍隊はこれに反撃した。これが戦争でなくて何だと言うのでしょう。P大統領は「ウクライナが反撃したから戦争になった。ウクライナが反撃してこなければ戦争にはならなかった」とでも言うつもりなのでしょうか。これは「俺はお前を殴る。だけどお前は殴り返すな。そうすれば『喧嘩』にはならない」と言っているのと同じことです。
でも、私がいちばん引っ掛かったのは、ロシア軍が民間人を虐殺した、というニュースが報じられた時です。
欧米諸国は一斉にこれを非難しました。日本も「戦争犯罪だ」と言って非難しました。
そう、「戦争犯罪」という言葉。これが解せなかった。
調べると、「戦争犯罪」とは「戦争における国際法(戦時国際法)に反する行為」のようですが、そもそも戦争そのものが犯罪ではないのでしょうか? 戦時国際法には、戦争において攻撃目標は戦闘員と軍事施設に限られるとか、軍事目標と民用物を区別なく攻撃してはいけないなどと書かれています。つまり今回は、「ロシア軍が民間人を殺した。国際法に反する。けしからん」というわけです。
非難するのは当然のことです。今回のことで、ロシアは国連の人権理事会から追放されました。当たり前です。
でも、と思うのです。
国際法に反する「戦争犯罪」を犯していなければ、それでいいのでしょうか?
もちろん世界各国はロシアの侵略戦争を非難しています。でも、ロシアは依然として、国連安全保障理事会の常任理事国の座に留まっている。なぜでしょう?
ロシアの侵略戦争を非難するなら、ロシアがウクライナに侵攻した時点で、安保理から追放して然るべきではないのでしょうか?
世界の安全を保障するのが安保理でしょう? ロシアは、ウクライナという独立国の安全を、武器を持ってぶち壊したんですよ?
それとも、ルールにのっとって戦争する分にはかまわない、とでも言いたいのでしょうか? 民間人を殺害するのは人権侵害だが、軍人を殺すのは人権侵害にあたらない、とでも?
民間人だろうが軍人だろうが、人には生きる権利があります。これはもう社会ではなく道徳の範疇に属する当然の真実ですが、多くの国では「生存権」として法的に保証されています。日本でも、憲法に基本的人権の一つとして定められています。
みなさんも親や先生から教えられましたよね?
人を殺しちゃいけません。
物を壊しちゃいけません。
他人の家に勝手に上がってもいけません、と。
そう教えられるのは、それが「悪いこと」だからです。破ってはいけない社会の「ルール」だからです。
でも、その「悪いこと」を国家規模でやってるのがロシアなんです。
色んな利害関係やしがらみがあるのでしょう。ロシアを表立って批判できない国もあれば、ロシアの行為を擁護する国まである。思うに世界の国々は、ちょっと複雑に、密接に繋がりあいすぎたのかも知れませんね。
日本だってそうです。
日本は先日、ロシア産石炭の輸入を段階的に引き下げ、最終的には停止することを発表しました。ロシアに対する経済制裁の一つです。
でもこれも、EUがロシア産石炭の輸入禁止を決めたことに追随するもので、ただでさえ資源に乏しく、エネルギーを輸入に頼っている日本が単独で決断できたかどうかは怪しいものです。そもそも石炭はCO2排出削減の流れで、依存度が減っている。ここで止めてももともとのエネルギー政策への影響は少なくて済む、という計算もあるのでしょう。
一方で、ロシアの天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」からは撤退しないといいます。撤退するとガスの安定供給に支障が出るからだそうで、確かにガスの供給が滞れば日本国民も困るでしょう。でも、天然ガスはロシアから買うしかないのでしょうか? 曰く、サハリン2との契約は10年先まで残っていて、調達を取りやめても代金は支払うことになっているといい、大損になる、といいます。
さすがは経済大国ニッポンだ、と笑ってしまいますよね。戦争放棄を憲法でうたった世界唯一の国、という矜持はどこへいったのでしょう。
今回は相手がロシアだったから日本も非難できました。それでも徹底できていない。これがもし、相手が欧米諸国のどこかだったら、日本は果たして毅然とした態度が取れるでしょうか。
例えば、あるアメリカの過激思想の持ち主(T氏のような男)が大統領になり、トチ狂って、
「ロシアは侵略戦争を行った悪の枢軸だ。滅ぼさねばならん」
などと言ってロシアに軍隊を送り込んだとしたら、日本は「そんな馬鹿な真似はやめなさい」と言えるでしょうか。
アメリカが「イラクは大量破壊兵器を作っている。けしからん」と言ってイラクに攻め込んだ時、時の日本国首相は何と言ったでしょうか。そして結局大量破壊兵器が見つからなかったと報じられた時、何か弁明したでしょうか。
「大量破壊兵器だなんて言ったら、あんたの国は世界一の核保有国じゃないか。そっちのほうがけしからん」
などと言ったりしなかったことだけは確かです。
日本の行く末も、心配でなりません。
色々と書き連ねましたが、要するに、戦争が悪いことだとみんな頭ではわかっているのに、それを堂々と非難できないことのある世の中ってどうなんだろうね、ってことです。
え? P大統領はわかってないって?
そんなことはありません。あの男はわかってやってるんです。知性も理性もある男ですから。そのうえで、それを正当化するための計算と作戦があるんです。わかっていないとしたら、それは例えば十字軍なんかかそうですが、狂信者の類ですね。あんな連中を現代の人間と一緒にしてはいけません。あいつらの頭の中には、絶対の善(神)と絶対の悪(悪魔)しか存在しないんですから。
今は多様性が認められる世の中です。世の中にある色は白と黒だけじゃない。色んな色があるんです。
そんなこと、昔の日本人はとっくに知っていましたよ。八百万の神。神様だって多種多様、善い神様もいれば悪い神様もいる。どちらでもなく、ただ存在するだけの神様だっている。昔の日本人は、近代の日本人よりよっぽど先進的だったんですねえ。
…話が逸れました。
まあでも、それでもまだ現代の日本はマシなほうです。不完全とはいえ、こうして言論の自由が認められているんですから。
これがロシアや北朝鮮ならどんなにひどいことか、あまり考えたくありませんね。生まれる国は自分で選べませんから、日本に生まれた自分は幸運だったと、つくづく思います。
ここまで長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回からまた、できるだけ楽しい記事を書きます。
それではまた。
ケーンでした。
みんな、なるべく善く生きようね!!
PEACE!!
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