ケーンの読書感想文「旅の理不尽」
どうも、ケーンです。
うつ病から回復し、眼鏡を新調して老眼問題も克服(?)した私。小さな文字を読むことが苦にならなくなったので、また好きな本を読み始めました。
そこで、このコーナーでは、私が読んだ本について色々と綴りたいと思います。書評なんて高尚なものではないので(笑)、読書感想文です。
本日取り上げるのは、こちら。
ちくま文庫「旅の理不尽 アジア悶絶編」(著者:宮田珠己)
真面目なサラリーマンだった著者が、有給休暇を使い果たして旅したアジア各地の脱力系エピソード満載の爆笑体験記。若き宮田青年は、数々の失態を繰り返しながら旅の醍醐味と人生のほろ苦さを学んでゆく。誰もが体験するような旅の日常を、誰も追随できない独特の感性と文体で綴る鮮烈な処女作! エッセイスト・タマキングの底力を感じる一冊。(裏表紙より)
ジャンルはエッセイになるのかな? 小説ではないこの本を買ったきっかけは、書店のPOPでした。
「自費出版から口コミで面白さが伝わり、ついに出版社から刊行された本!! 旅好きな人にも、そうでない人にもオススメ!! 「笑い」保証します」
確か、こんな内容だったと思います。文庫本で分厚くもないし、気楽に読むにはいいかも、と思って手に取ったのでした。保証してくれるなら、大いに笑ってやろうじゃないか、と。
さて、私のような北海道民は、「旅」と「笑い」というと、あるTV番組を想起します。
そう。
ご存じ(?)、「水曜どうでしょう」です。
今や全国にファン(藩士)を持つ北海道発のローカルバラエティにして、国民的俳優(?)となった大泉洋の出世作。大泉洋とその事務所の社長であるミスターこと鈴木貴之、そしてディレクターの藤村氏とカメラマンの嬉野氏の4人が繰り広げる珍道中。放送開始は1996年というから、もう20年以上前の番組ですが、未だに全国各地で再放送され、人気を博しています。
この「どうでしょう体験」を刷り込まれている私のような人間の場合、「旅」と「笑い」と言われるとどうしても「水曜どうでしょう」と比較してしまい、自然、ハードルが上がってしまうんですね。
そんな私が「旅の理不尽」を読んだ感想はというと…。
「うん、面白かった。でもなあ」
となるわけです。
筆者は旅行先で、あれやこれやとおかしなエピソードにでくわします。それは大抵、その国の人の国民性だったり、文化や価値観の違いから来るもので、実際に自分がでくわしたら「おい、ちょっと待て」となります。その理不尽さに心の中でぼやきなから対処していく様が、軽妙な文章で面白おかしく描かれています。
もしかしたら、一人外国の旅を経験した人は「あるある(笑)」と共感するかも知れないし、そうでない人もクスリと笑ってしまうでしょう。
でも、なのです。
筆者は大泉洋ほどひどい目には遭ってないんですよねえ。彼ほど取り乱したり、大声でぼやいたり、泣いたり叫んだりもしません。笑える話ではあるけれど、「どうでしょう」ほどではないなあ、と私などは思ってしまうのでした。
それと、オチが弱い。
まあエッセイなので仕方ないんですが、「笑い」を求めて読んでしまうと、「え、もう終わり?」というところでエピソードが終わってしまいます。もっと強烈なオチがあったら良かったのですが、そこまで求めるのは贅沢ってものでしょうかね。
でもまあ、680円+税というお値段分は楽しめます。私は朝の通勤電車の中で読んだのですが、おかげで楽しい通勤時間でした。
というわけで、
オススメ度 ★★★☆☆
としておきます。
初回にしては辛いような気もしますが、まあこんなものでしょう(どこから目線だw)。
それではまた。
ケーンでした。
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