ども、ケーンです。
先週の糖負荷検査から一週間。検査結果が出ているとのことだったので、仕事をお休みして病院へ。
果たして糖尿病と宣告されてしまうのか、どうなのか。どきどきびくびくしながら待っていると、「ケーンさーん、どうぞー」という看護師の声が。
医師は検査数値を見せながら、色々と話してくれました。
「で…僕は糖尿病なんですか?」
「境界型っていってね、糖尿病かそうでないかっていうと、そういう意識でいたほうがいい」
ガーンΣ(゚д゚;)
悪魔の宣告…と思いきや。
「つまりね、インスリンはちゃんとでてるんだけど、それがうまく血糖値を下げるふうに作用してないんだ。だからインスリン投与は必要ない」
「…え、そうなんですか?」
「そう。投薬も必要ない。食事療法と、あと体重を少し落とした方がいいね」
ほっ…(;´Д`A ```
一瞬、自分で自分の腕に注射器を刺す光景が見えた僕は、安心のため息をつきました。
「ところでケーンさん、パン好き?」
「え? ええ…好きですけど」
「菓子パンは?」
「大好きです!!」
「それ、やめたほうがいいね」
「ええーっ!?」
これこそ悪魔の宣告でした。
アンパン、メロンパン、くるみパン、クリームパン、塩パン…数え上げたら切がないくらい、僕は菓子パンが大好きでした。毎日の昼食は菓子パンと決まっていたのです。
特に札幌駅にある「リトルマーメイド」というお店(全国展開しているパン屋さんです)、そこのミルククリームパンが絶品で、毎朝、昼食用にと欠かさず買って仕事に行っていました。
午前中の仕事は、まさにそのミルククリームパンを楽しみに耐えているようなものです。
そ、それが…それが…。
食べられないなんてーーーっ!!
僕の体の半分はそのミルククリームパンでできています。それが食べられないということは、自分の半身を失うことです。僕は絶望のどん底につき落とされました。
「そ、それじゃメロンパンは…」
「ダメ」
「な、ならサンドイッチなら…」
「ああ、ダメダメ。食パン一枚くらいならいいけど、それにあれこれ乗せちゃったらカロリー高くなるでしょ」
ああ、そうか…。
僕はもう、パンと言えば食パン一枚しか食べられない身体になってしまったんだ…。
放心しながら、僕は会計を済ませ、病院を後にしました。
初夏の風が、僕にはなぜかとても冷たく、寂しく感じられました。
ああ…ミルククリームパン…。
僕はもう、何を心の支えに生きていけばいいのでしょう。
こうなったら、くうの餌でも分けてもらうしか…。

「ダメでちゅっ!!」
そ、そうだよね…。